【埼玉県】専任技術者の「専任」について詳しく掘り下げ【建設業許可】

建設業の許可を受けるためには専任の技術者がいないと許可を受けることができません。

工事内容について詳しいプロがいないと適正に請負契約を履行できない可能性がありますからね。

今回はその専任技術者の「専任」ついて詳しく掘り下げていこうと思います。

専任とは営業所に常勤して、もっぱらその職務に従事することをいいます。

具体的には３つの条件を満たす必要があります。

① 専属制

専任技術者は、他の事業所や他の会社で兼任することはできません。

一つの事業所に専属して勤務する必要があります。

同じ会社であっても他の営業所との兼務は認められません。

技術者が複数の事業所をまたいで勤務し、技術的な責任が曖昧になることを防ぐためです。

※専任技術者はどの営業所に配置されているか行政庁のデータベースで管理されています。

② 営業所に常勤

専任技術者は、建設業許可を受けた事業所に常勤で勤務する必要があります。
つまり、その事業所に日常的に出勤し、建設工事に関する業務に専念することが求められます。

令和３年度のガイドラインで常勤性が緩和されて、テレワークも認められるようになりましたが、常識的に通勤不可能なものは認められませんのでご注意ください。

もちろん名義だけのものNGです。

常勤の確認方法としては、事業所名が記載されている保険証や、年金事務所で発行できる厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書などがあります・

注意点は、埼玉県では後期高齢者（75歳以上）の常勤確認として、自宅と営業所が同一、又は通勤が同一市内である場合を除き、通勤手段を確認します。

③ 他の法令の専任制になっていない

他の営業所で専任の宅地建物取引士、技術者や管理建築士など専任制を要するものも兼務できません（同一業者で同一の営業所である場合を除く）

ここでよくある疑問について解説していきます。

同一業者で同一の営業所であれば、必要な要件を備えれば２業種以上の専任技術者になれます。

常勤役員や営業所長も兼ねることができます。

常勤する役員等であれば可能です。

ただし、同一営業所内に限りますのでご注意ください。

専任技術者と監理技術者は原則兼務できません。

工事現場に出向いて作業してしまっては専任性が保たれませんからね。

特例として、下記の要件を全て満たす場合は、専任の技術者は、主任技術者や監理技術者となることができます。(平成15年4月21日付 国総建第18号『営業所における専任の技術者の取扱いについて』)

① 当該営業所において請負契約が締結された建設工事であること
② 工事現場と営業所が近接し、当該営業所との間で常時連絡を取りうる体制にあること
③ 工事現場の職務に従事しながら実質的に営業所の職務にも従事しうる程度であること)
④ 所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあること

以上今回は専任技術者について解説させていただきました。

また、専任技術者になるには他にも資格など様々な要件があります。

本業をされながらこれらを調べて申請を行うのは骨の折れる作業になるかと思います。

建設業許可を取得するご依頼は、当事務所までお気軽にお問い合わせくださいませ。