【建設業許可】一式工事はオールマイティーな許可？【埼玉県】

2024 6/05

2024年6月5日 2024年6月5日

建設業許可には２種類の一式工事、２７種類の専門工事の計２９業種に分類されています。

該当する業種を請け負うには業種ごとに全て許可を受けなければいけません。

さて、その業種の中に登場する一式工事の中にある土木一式と建築一式。

一式ということはこれで全部請け負うことができるんじゃないかな？

名前から想像すると、一見請け負うことができてしまいそうな気がしますね。

これは勘違いしやすいポイントでもありますので十分に気を付けたいところです。

ということで今回は「一式工事で全ての業種を請け負うことができるか？」ということについて解説します。

結論から申し上げると、一式工事は全ての業種を請け負う許可ではありません。

一式工事の考え方としては、大規模又は施工が複雑な工事を原則として、元請の立場で総合的にマネジメント（企画、指導、調整）する事業者向けの業種になります。

専門工事の許可とは違うものなのです。

建築一式工事の具体例を見ていきましょう。

例えば、大規模なマンションの新築工事を行う際、建築一式工事の許可を持つゼネコンが全体の管理を担当しますが、電気設備や配管、内装工事などの各分野については、各専門業者に発注します。

このように、建築一式工事の許可はプロジェクト全体のマネジメントをする立場であるということです。

合わせて土木一式工事についても具体例を見ていきましょう。

大規模な橋梁工事やダム工事などでは、土木一式工事の許可を持つゼネコンがプロジェクト全体を管理し、施工計画の策定や進行管理を行います。
そして、舗装工事は舗装業者に、電気設備の設置は電気工事の業者にそれぞれ委託します。
これにより、各分野の専門技術が確保され、安全かつ効率的な工事が進められるというわけです。

つまり、元請の立場でマネジメントすることから、下請け業者が一式工事を請け負うということはないと言っても良いでしょう。

まとめます。

一式工事の許可があっても、専門工事を単独で請け負うことはできません。

例えば、建築一式工事の許可を持っているからと、塗装工事を請け負うことができないということです（５００万円未満の軽微な工事を除く）

この場合は塗装工事の許可を取得する必要があります。

しかし、本体工事に附帯する工事については、発注者の利便性の観点から、２つの方法で一式工事に併せて専門工事を請け負うことができます。

１つ目「工事現場に専門技術者を配置する」

土木工事業や建築工事業の建設業者が、元請として一式工事を施行する場合で、その一式工事の中に他の専門工事をするときは、それぞれの専門工事について専任技術者を工事現場に置くことで請け負うことができます（建設業法第２６条の２第２項）

２つ目「許可を得ている下請けに出す」

専門工事の許可を得ている下請け業者に発注するという方法です。
専任技術者を工事現場に置くことができないときは、こちらを選ぶことになります。

いかがでしたでしょうか。

今回は名前だけだと少し間違えやすい一式工事について解説させていただきました。

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